2012年 06月 21日
焼きまんじゅう屋一代記
◆著者:小暮正夫 ◆絵:斉藤博之
◆偕成社 子供の文学 ◆1973年発行 ◆定価650円 ◆153ページ
幕末という世の中がはげしくかわりだしたとき、前橋の町に、
みそまんじゅうという、みょうなたべものを売る店が誕生した。
まださむらいが刀を腰にさして、いばっていたころのことだった。
※本書パッケージより抜粋
ってなわけで、突然ですが焼まんじゅうに関連する書籍をご紹介させてください。
焼まんじゅうが好きで好きで、タレのボトルを冷蔵庫に、おまんじゅうを冷凍庫保管でストックする
くらいに中毒症状バンザイなわたくしですが、焼まんじゅうについて知らない事が多いです。
焼まんじゅうの起源。初期の頃はいったいどんな味だったのだろう?
販売の仕方はどうだったのだろう?いろいろと疑問がありました。
それを解決してくれそうな本を発見。
それが、この『 焼きまんじゅう一代記 』という作品です。
実在の人物を元にした物語で、そのモチーフは群馬県民なら知らない人はいない
前橋市の「原嶋屋総本家」。その初代ご主人である原嶋類蔵(るいぞう)さんが、
焼まんじゅう屋を立ち上げた訳、そしてお店を、まんじゅうを発展させていく過程。
幕末の時代の、前橋市周辺環境。目まぐるしく変わっていく時代背景と共に、
原嶋屋総本家のルーツが丁寧につづられていく物語です。
発行は1973年とやや古く、ネット検索していたらたまたま古書店にて在庫1点発見。
お取り寄せにて購入とあいなりました。
結局どんな本だったの?ってことですが、
ひとことで言って・・・
泣きました。
お恥ずかしいですが、年齢重ねてくると涙もろくなってくるって本当ですね。
いや~~いいお話なんですよ。人情モノ、家族愛って涙腺直撃します。もう時代劇、ドラマにでもして欲しいくらい。
GTV(群馬テレビ)さんお願いします!!とか本気で思っちゃうくらい。
私が知らないだけで、ドキュメンタリーとかは製作放映されているのかも知れませんがね。
私が泣いて感動した話は置いといて、この本を読んで「へぇ~~」と思った点は以下に。
◆焼きまんじゅうは初期の頃はただの味噌を薄く塗っただけ。しょっぱい味。
◆価格はひとくし2文(現在の価格にして60~70円?)
◆ゆずなどの柑橘類を味噌に混ぜたものも登場。
◆ごはん代わりにもされていた(2~3串食べればお腹いっぱい)
◆甘いタレは明治に入ってから。最初は黒糖を煮詰めたものを塗った。これがミラクルヒット!考案:初代女将さん
こんなところでしょうか。まだ1回しか読んでいないので、もう一度繰り返して読んでみて
あらためて気づく点なども出てくるかもしれませんが。
ともかく、これを読んでいると、原嶋屋さんの焼まんじゅうを食べたくてしかたがありません!(笑)
巻末の著者のあとがきに、原嶋屋さん3代目主人:原嶋熊蔵さん著作の『焼きまんじゅうあれこれ』
を著者が読んだという記述もあり。この本も入手して読んで見ないと気がすまない私です。
ひとまずこんなところです。